笠井 浩
経営者として。

春日部で働く経営者としての日々

瀬戸内に思う……

「実家の隣に、心から楽しく暮らせる“終の棲処”を建てたい」
日頃、良いお付き合いをさせていただいている、
とても大切な取引先の社長さんから、
そんなお話をいただいたのは、秋の事。
現地調査のために、社長のご実家のある広島県の福山市に行ってきました。
 
瀬戸内海を見るのは久し振りでしたが、その美しさは相変わらず。
無数の島々が織りなす「内海の美しさ」には、
江戸末期に調査来日した海外の地質学者が驚嘆したといいます。
そんな故事も納得の、「東洋のエーゲ海」でした。
 
現場の細やかな調査はなるべく急いで片付け、
この土地の「美しさ」「やさしさ」「心地よさ」を私に伝えてくださるべく、
社長さんが組んでくれた“段取り”に乗って街を歩きます。
 
食べ物周りで言えば、
大小の、すべての個室にシェフがいる「大人のステーキハウス」を見学。
昼はご当地の有名ラーメン&炒飯チェーン「十八番」で、
“間違いない”味を堪能。
夜は夜とて、社長さん行きつけの居酒屋で瀬戸内の新鮮な海産物をいただき、
同じく行きつけの渋いバーでワンクッションから、
締めはやはり広島ならではのお好み焼き。
どの店でも、どの場所でも、人があたたかくて、
お腹いっぱい胸もいっぱいの、素敵な時間でした。
 
社長さんの会社の、ゲストハウスである「内海ハウス」は、
瀬戸内海を臨む絶好のロケーション。
非日常を感じながら心落ち着けられるこの建物では、
日頃、ここを管理しておられる館長さんの、
「“美しさ”“心地よさ”の基本は、
 舞い落ちるさくらの花弁の速度=秒速5cm」
というお話が印象的でした。
 
“瀬戸内キロメートル・ゼロ”をコンセプトに、
様々なライフ&リゾート事業を展開する常石造船の
施設の見学にも行ってきました。
絶景のスパリゾートや、自転車愛好者に特化したホテルなど、
どの施設にも共通して見えるのが、
「美しくやさしいわが町を、思う存分、堪能してもらいたい」
という心意気。これだけ規模の大きな会社で、
これだけのこまやかな心づくしが出来るんだ! と、感動しました。
 
瀬戸内へ来て四六時中、感じたのは、社長さんの
「生まれ育った場所」「かかわり合った人」に対する敬意。
そして、そこで過ごす時間を慈しむ気持ち。
ご満足いただける“終の棲処”づくりのために、
気を引き締めなければいけないと思ったのと同時に、
自分が関わった土地や人、時間を慈しむ気持ちを
もっと大切にしようと思えた、中身の濃い旅でした。
 
「瀬戸内海を見るのは何年振りか。変わらぬ美しさに、思わずテンションが上がってしまった。
 
シルクロードの命名者である
ドイツの地理学・リヒトホーフェン
や博物学者・シーボルトなど、瀬戸内の美しさに見入られた人は多い。
福山市内にある「味処 秀」は社長さん
の行きつけ。地元の海で獲れた魚介類が、本当においしい、あたたかい店だった。