笠井 浩
経営者として。

春日部で働く経営者としての日々

「気がつけば東京湾」な冬の一日

「ひょんな事から、漁船を譲ってもらったんだ。
よかったら一緒に、船釣りにでも行ってみませんか?」
 
得意先の社長から、そんな連絡をもらったのは、冬の、ある午後。
釣りなんて、子供の頃に近所の小川でやったフナ釣りぐらいまで、
記憶を遡らなければいけないほど久しぶりですが、
〝船で行く〟というところに興味を引かれて、
気がつけば「行く行く!」と二つ返事で答えていました。
 
漁船の出航は、千葉県市川市は真間川にある係留地点から。
フェリーでもボートでもないその乗り心地に、
なんとなくワクワクしながら、早速、フィッシュ・オンです。
とはいえこちとら、何十年ぶりに竿を握る、折り紙つきのド素人。
社長から簡単な手ほどきを受けて、ルアーを必死に泳がせますが、
そんなド素人が動かす疑似餌には、川の魚も海の魚も、
「バカにすんじゃないよ!」ってなもんで、振り向きもせず……。
アタリらしいアタリもないまま、虚しく時は流れました。
 
虚しいチャレンジを重ねながら色々と回っているうち、
気がつけば船はすっかり海へ出ていました。
いつの間にかの〝東京湾クルーズby漁船〟。
 
空の玄関・羽田空港から飛び立つ旅客機。
川崎沖にある「空気の行き交う島」・風の塔。
海から見れば、未来のオートパークに見える、海ほたる。
魚たちと人間の息吹が目に見えるような豊洲市場。
七色の光が浮かび上がり始めるレインボーブリッジ。
 
釣果は気持ちいいほどのゼロだったけど、
大好きな水上で、普段は見られない角度から、
『東京湾の景色』を眺められて、
楽しくて、清々しくて、心地よい、船釣りの1日でした。
 
 
夕暮れ迫る頃に空港から飛び立つ旅客機の「下から見たときのカッコ良さ」は格別。
 
 
風の塔は、川崎区浮島町沖5キロに位置する人工島。アクアトンネルの換気と、避難ルートの一部という役割があるそうだ。
 
 
豊洲市場。都内に11ヶ所ある「東京中央卸売市場」の一つ。2018年10月に築地から移転した、「五輪国際観光観光」の目玉。
 
 
船が通った後のさざ波を「航跡」という。近代的な橋の下に描かれた、漁船だかららこその航跡が綺麗だった。